それでいい

本と映画を中心とした何か、気が向いたものだけ

パプリカ(映画) 筒井康隆 今敏

UNEXTのおすすめに表示されていたので。前から見ようと思ってましたが、UNEXTにあったとは知らなかった。 夢と現実。エスと自我2つがあやふやになった世界の狭間。DCミニを盗んだ犯人を夢探偵パプリカが追う。 非常に熱狂的にファンがいる本作ですが、個人…

デトロイト美術館の奇跡 原田マハ

アートは友達であり、家族である。最後に書かれた対談でのタイトルこそが本作の真髄かなと思います。 作中出てくる登場人物たちは一人を除き、全員、フィクションですが、まるで実在していたのではないかと思うほどリアルな描写。 そして多くの芸術作品に触…

ミスト(映画) スティーブンキング フランク・ダラボン

胸糞悪いラストと聞いていたのでずっと見ようと思っていたのですが、長らく見ていなかったのをようやく見ました。 内容はもちろん演出に震えた…… いっちばん感心したのは、腰に紐を巻いてショットガンを取りに行ったおっちゃんのシーン。ただ単に紐を切るん…

正欲(映画) 朝井リョウ

映画(UNEXT)で見ました。 普通に迫害される多様性。そんな多様性を推進すべきだ! なんて作品ではなく、現代において叫ばれる多様性、それは本当に「ホントウ」のマイノリティなのか?LGBTQは(もちろんまだまだ偏見はあると思いますが)昔と比べれば理解が進…

とわの庭 小川糸

夜空には、わたしだけの星座が、生まれ続ける。優しい言葉ですね。 帯からは想像もつかないほど重い話でした。想像を絶するような、しかしそれを捜索だとは簡単に否定できないような現実味のある苦難。人が持つ生きることへのエネルギーはそれはもう強いもの…

キネマの神様 原田マハ

あー映画みたいな、それも劇場の大きなスクリーンで、と思わせてくれる作品でした。そしてまるで映画を見ているかのような作品。 映画を好きという気持ちが父と娘を、父と母を、父と会ったこともない友人を(もちろんそれ以外にも社長とばるたん君とかも)繋ぐ…

生きるぼくら 原田マハ

24歳ニート、旅に出る。結構泣いてしまった作品。 僕が感じたのは只々、生きることはとても難しく、とても簡単だという一見矛盾した事実です。一人で生きてはいけない、しかし人と生きることは現代では大変難しい。ただし、一歩だけ踏み出してしまえば、あと…

人間失格 太宰治

非常に気取り、拗らせたイケメン主人公の一生。こう書くと一昔前のいわゆる「やれやれ系」に通じるものを感じます。しかしながらそれとは一線を画すのは、ここまで極端ではないながらも、誰しもが感じたことのある、混沌とした他者を恐れる心と蔑む心が巧み…

すべて真夜中の恋人たち 川上未映子

簡単にいうなれば、今まで所謂”青春”とは縁遠かった主人公、入江冬子がちょっと遅れて大人になる物語、でしょうか。女性ひとりの強さというものが感じられました。どちらかといえば女性向けだと思います。 冬子は人間関係が苦手な故に、それをお酒の力で誤魔…

錦繡 宮本輝

手紙というものは不思議な媒体だと思う。時限的ではあるが一方通行であり、なにより如何に未来を語ろうとも、それを読むころには過去から見た未来に過ぎない。手紙とは過去も未来も現在も入り混じった、不思議な空間なのだろう。 読者は最初から最後まで一貫…

創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち 小島秀夫

なにも考えず、小島氏の名前と鮮やかな黄色のデザインに惹かれ手に取ったので、小島氏が好きなミームを紹介する本だとは知らぬままだった。僕はそれほど素直ではないので、紹介された中で実際読もうと思ったのは2.3冊程度。それも別に気になって仕方がないと…