それでいい

本と映画を中心とした何か、気が向いたものだけ

★3

デトロイト美術館の奇跡 原田マハ

アートは友達であり、家族である。最後に書かれた対談でのタイトルこそが本作の真髄かなと思います。 作中出てくる登場人物たちは一人を除き、全員、フィクションですが、まるで実在していたのではないかと思うほどリアルな描写。 そして多くの芸術作品に触…

とわの庭 小川糸

夜空には、わたしだけの星座が、生まれ続ける。優しい言葉ですね。 帯からは想像もつかないほど重い話でした。想像を絶するような、しかしそれを捜索だとは簡単に否定できないような現実味のある苦難。人が持つ生きることへのエネルギーはそれはもう強いもの…

キネマの神様 原田マハ

あー映画みたいな、それも劇場の大きなスクリーンで、と思わせてくれる作品でした。そしてまるで映画を見ているかのような作品。 映画を好きという気持ちが父と娘を、父と母を、父と会ったこともない友人を(もちろんそれ以外にも社長とばるたん君とかも)繋ぐ…

人間失格 太宰治

非常に気取り、拗らせたイケメン主人公の一生。こう書くと一昔前のいわゆる「やれやれ系」に通じるものを感じます。しかしながらそれとは一線を画すのは、ここまで極端ではないながらも、誰しもが感じたことのある、混沌とした他者を恐れる心と蔑む心が巧み…