それでいい

本と映画を中心とした何か、気が向いたものだけ

創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち 小島秀夫

なにも考えず、小島氏の名前と鮮やかな黄色のデザインに惹かれ手に取ったので、小島氏が好きなミームを紹介する本だとは知らぬままだった。僕はそれほど素直ではないので、紹介された中で実際読もうと思ったのは2.3冊程度。それも別に気になって仕方がないというものではなく、まあせっかくだし読んでみようか程度だった。それでもこの本には価値がある。一つには時代の違いをありありと感じられること。指を二、三動かせば海外のあらゆる情報を得られる現代と、50年前とではあまりにも状況が違う。良くも悪くも、今は進歩しすぎている。知らないものを調べず、まずは想像を馳せるという楽しみを久しぶりに思い出した。もう一つは単純に、誰かが好きな何かに触れるのは楽しいのだ。好きなものを語る時、独特の笑顔が本を通して感じられるというのは中々ない。そういう意味でためになった、感動したとは言えないが、確かに読んでよかったと言える。